利用事例

高エネルギー分解能eelsによる半導体局所キャリア

InGaZnO(IGZO)は構造、組成、欠陥に依存してキャリア濃度が変化する材料である。TFTにおけるIGZO層の構造やキャリア濃度を調べるため、モノクロメータ搭載TEMを用いて、チャネル部および低抵抗部のEELS (Electron Energy-Loss Spectroscopy) 測定を実施した。<br /> 0~100meVのスペクトル挙動から酸素とそれ以外の原子との結合に関して領域間の違いが認められた。またキャリアプラズモンピークの検出に成功し、ピーク位置からキャリア濃度を見積もるとチャネル部では8.3 x 1019cm<sup>-3</sup>、低抵抗部では1.4x1020cm<sup>-3</sup>であった。この結果、数nm以下の領域でキャリア濃度の測定に成功し、半導体デバイス特性評価に高分解能EELSが有効であることを示すことができた。

図1.モノクロメータ搭載 低加速原子分解能分析電子顕微鏡

図1.モノクロメータ搭載 低加速原子分解能分析電子顕微鏡

図2 断面 BF(bright field)-STEM 像 :<br> (a)全体像,(b)IGZO 薄層の中倍像,<br>         (c)IGZO 薄層の高倍像

図2 断面 BF(bright field)-STEM 像 :
 (a)全体像,(b)IGZO 薄層の中倍像,
       (c)IGZO 薄層の高倍像

図3 (a)電子構造の評価のためのEELSスペクトル,<br>  (b)推察される電子構造の模式図

図3 (a)電子構造の評価のためのEELSスペクトル,
  (b)推察される電子構造の模式図

図 4 EELSスペクトルにおけるキャリアプラズモンピーク

図 4 EELSスペクトルにおけるキャリアプラズモンピーク

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