利用事例
結晶構造解析技術による異種材料の接合界面の研究
GaNを利用したトランジスタはSiに代わる次世代半導体として期待されているが、動作時に極度の温度上昇のため性能が大きく制限され、大型の放熱部材も必要である。本研究では最も熱伝導率が高いダイヤモンドとGaNとの常温での直接接合に成功し、直接接合が1000℃の熱処理にも耐えることを実証した。<br /> 接合に際してダイヤモンドの結晶構造が壊れるが、熱処理による再結晶化を明らかにし、界面で高い熱伝導率が保持されることを示した。本研究成果により温度上昇を従来の1/4倍程度まで抑制でき、大幅な省エネとSiNトランジスタの使用範囲の拡大が期待できる。

図1 高放熱性GaNトランジスタ

図2 GaN/ダイヤモンド接合界面の断面TEM像:(a)熱処理前,(b)1,000℃熱処理後