ごあいさつ

担当責任者 土屋智由

京都大学ナノテクノロジーハブ拠点 運営責任者
マテリアル先端リサーチインフラ事業 実施機関
業務主任者/加工・デバイスプロセス担当責任者

土屋 智由(工学研究科 教授)

 京都大学は、平成24年7月から文部科学省「ナノテクノロジープラットフォーム」事業の微細加工ナノプラットフォームコンソーシアムに参画し、ナノスケール加工を中心とした70種類の微細加工・評価装置群を最高の状態でいつでも自由にご利用いただけるアンダーワンルーフ型のオープン利用環境「ナノテクノロジーハブ拠点」を整備し、国内外の研究者・技術者に提供してきました。
 これまでの装置共用・技術支援に加え、令和3年4月からは文部科学省「マテリアル先端リサーチインフラ」事業の「マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル重要技術領域」のハブ機関として、本技術領域と加工・デバイスプロセスおよび計測・分析の横断技術領域でのマテリアルデータベースの構築を実施いたします。
 ナノスケール加工は、ナノサイエンス&ナノテクノロジー分野における革新的な発想に基づく研究開発を支える基盤技術です。しかし、種々のナノスケール加工装置を自由に利用できる恵まれた環境にいる研究者・技術者は限られていました。ナノテクノロジーハブ拠点は、ナノスケール加工を必要とする国内外全ての研究者・技術者に最先端のナノスケール加工を利用できる環境を提供し、「利用可能な装置に律速されない」、「装置操作の習熟度に影響されない」、「装置の維持管理に煩わされない」研究環境(リサーチインフラ)を実現しました。
 京都大学はナノテクノロジープラットフォーム事業を通して、シンセシス知を創出・蓄積・応用・伝承する拠点の構築を目指して活動してきました。この成果はマテリアル先端リサーチインフラ事業において、データベース化され、「誰でも、いつでも、どこでも」高度な研究成果を迅速かつ最適に創出できるリサーチインフラを提供していきます。
 本リサーチインフラをご利用頂き、京都大学の研究者の知識、成果を有効に活用して頂くことで、日本の大学・企業におけるイノベーション創出が加速されることを期待しています。




担当責任者 倉田博基(化学研究所 教授)

京都大学ナノテクノロジーハブ拠点 副運営責任者
マテリアル先端リサーチインフラ事業 実施機関
計測・分析 担当責任者

倉田 博基(化学研究所 教授)

 文部科学省「マテリアル先端リサーチインフラ」事業に参画している京都大学 学際融合教育研究推進センター ナノテクノロジーハブ拠点ユニット 計測・分析担当では、宇治キャンパスに設置されている高性能透過電子顕微鏡3台をはじめ、種々の電子顕微鏡試料作製装置群を共用装置として登録し、国内外の研究者・技術者や学生の研究支援を推進しています。
 近年の先端機能性材料やナノ材料の研究においては、透過電子顕微鏡による構造観察や局所元素分析などのキャラクタリゼーションが益々重要となっています。本リサーチインフラでは、そのような研究のニーズに応えるべく、最先端の装置と高度な微細構造観察・計測技術を提供しています。これまでに電子顕微鏡観察の経験がないユーザーの皆様にも、専門の支援研究員による技術指導や技術補助を利用して頂くことにより、無機・有機結晶からソフトマテリアルにわたる幅広い材料に対する微細構造解析・状態分析を実施することができる研究支援環境となっております。
 本リサーチインフラの積極的な活用による高度な研究成果の創出と、計測・分析の横断技術領域に関連したマテリアルデータベースの構築と利活用への寄与を通して、多彩な先端機能性材料の研究開発が加速し、日本の大学・企業の国際的な競争力の向上や若手研究者・技術者の育成に繋がることを期待しています。